xuexueさんとの合作が出来るまで。2009
xuexueさんより合作のお誘いがありまして。
キャラはソウルキャリバー4よりティラとナイトメア。
まずどんな感じかーと右脳描画。
アイデア出しの叩き台、という名目の
意味不明な落書き。
1
xuexueさんからの合作プラン。
50%50%で意見を出し合って合作をはじめ
ようとすると進まない過去の経験から、イメージを
お持ちだったxuexueさんの初期ラフを元に展開する方向で。
2
それを元に、自分の担当のティラ部分の
あたりを取りつつ、全体のバランスを考えるために
後ろに仮想ナイトメアを配置。
この段階ではティラの目線の方向は決定していません。
3
xuexueさんがナイトメア、Gu-Chiが手前のティラを
担当、大まかな方向性が決まりました。
自分では描かない、活動的なポージングだなと
思いつつ髪の流れと手の表情など試行錯誤。
このあたりでティラをもう少し大きくしてみては?
という提案がありナイトメアの隠れ方も問題が
無さそうだったので大きくしてみました。
成功でした。
4
ナイトメアとティラのバランスをメッセンジャーで
やりとりしながら、細かく調整、そして同時に
ティラも徐々に描き進めます。
ティラの円刃(アイゼルネドロッセル)の大きさと
位置や、ナイトメアを見切れる様にして(体を画面外に
はみ出すこと)迫力を出す効果を提案、このあたりは
前回の状態とどちらがいいか比較して、時には古い
バージョンを採用したりしながら煮詰めていきました。
思い切って捨てられる勇気。合作でなければ妥協して
進めてしまう所を、やりとりすることでお互いにチェックし
より良い解答を模索。これは合作のメリットかなと思いました。
5
などと言っているうちにxuexueさんより凄いスピードで
ナイトメアが出来上がって来ました、Gu−Chiはまだようやく
一通り輪郭が見えてきたという状態です。
ソウルキャリバーはポリゴンのゲームですが、写実より絵らしさ、空気感が
出せればいいなあと完成形をイメージしながら。
このあたりでxuexueさんより、ナイトメアの手からティラが
放たれているという演出プランがあり、その方向に合わせながら
ティラ(手前)とナイトメア(奥)の差別化、バランスを相談。
ティラのキャラクター性を踏まえて、ただかわいいにならないように
肌色もあえて彩度低め、アイラインも思い切っていれて、ちょっと怖いくらい
でも大丈夫だろうと。
6
ティラの方もそれなりに進行し、背景のアタリを取りつつ
画面下部は霧のイメージで(ナイトメアの足下を隠す意味もあります)
少し窮屈に感じ始めたので画面を横に広げました、CGならではの自由さを活かして。
アナログ時代では出来なかった綿密なやりとりや、後から
色のバランスを見て調整するなど、かつては考えられなかった
合作作業と言えましょう。
5で少し前に出すぎているように思えた、ナイトメアの鎧の明るさを
調整して頂き少し後ろへと。
7
ぐっと進んで背景はまだですが完成手前、せっかくここまで
出来たから可能な限り踏み込んで見ることに、ティラの服の模様や
ガントレット的な部分も資料を探して描込み。
xuexueさんのナイトメアの書き込みや塗りに引っ張ってもらってる
気がします。
そして背景の建物は、それっぽいシルエットだけでいいかと
思ってましたが、xuexueさんより提案があり実際のゲームのステージより
きっちり描かれたものがこれまた、あっという間に上がってきて
驚くのでした。頼もしい限りでした。
完成が近づき、ティラは手前なのでくっきりさせつつ、光源はライトではなく
月光もしくは自然な光源で、演出されたそれの方が正解と思えたので
コントラストを上げつつもツヤツヤになりすぎないように調整。
8
そして遂に完成、アーケードゲーム専門誌
月刊アルカディアに投稿するため上下を足しました。
作業の後半、ディテールを入れたら急にパッとした印象に
なることがあり、普段適当にしていた所の重要性を知り
素材感の描き分けや主線の処理など、普段自分では6から7の
間で筆を置いていた所を8までもって行けたことで今後の
糧となりそうです。
今回の合作では、ちょうどお互いに足りない部分が、かみ合ってたのかなと
いう気がしました。
合作に誘ってもらったり、バイタリティというか推進力というか
自分の中ではxuexueさんはRPGにおける勇者的立ち位置な印象です。
または少年漫画の主人公。力強い!
無事アルカディアに掲載して頂けて、家庭用のタイトルであるので
万が一載ったらいいかなくらいに思っていたので、懸賞に当たったような
気持ちでした。感謝。